人と人が繋がるオーガニックカフェ

東京都内にありつつも、自然豊かな土地にある国分寺市。

主要駅である国分寺駅から徒歩10分。

木造りの優しい内装が特徴のオーガニックカフェがある。

Cafe Slow(カフェスロー)

東京国分寺から「スロー」=「つながり」でエコロジカルな暮らしを提案するオーガニックカフェ。藁と土の内装、大きな窓からのぞむ木々。幅広い世代がのんびりゆったり行き交う場所。

今回、2021年4月10日に開催するライブイベント「音たどる遊覧」の会場としてお借りするカフェスローについて、ご来場いただく皆様にぜひ知ってほしいという思いから、店長の山本さんをインタビューさせていただいた。

カフェスロー山本店長(写真右)

Q:大変お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございます。まずは、ぜひカフェスローの成り立ちを教えていただけますか?

カフェスローはナマケモノ倶楽部というNGOが2001年にオープンしたカフェで、今年でちょうど20周年となります。ナマケモノ倶楽部は「ナマケモノのように電気やガスを使わず、環境に優しい暮らしを実践するような環境保護団体です。そんなナマケモノ倶楽部がエクアドルを中心とした環境保護活動を実施している中で、山岳民族と出会った際に飲んだオーガニックコーヒーがとても美味しく、日本でも味わってほしいという思いからカフェスローがオープンしました。2008年に府中から国分寺へ移転した後も、オーガニックというテーマは変わらず大切にしています。


Q:20周年おめでとうございます。NGOの活動の中で生まれたオーガニックカフェなんですね。店名にある「スロー」とはどういう意味が込められているのでしょうか?

スローは「繋がり」という意味があります。

ナマケモノ倶楽部の世話人で環境運動家でもある辻信一さんが話す「Slow is Beautiful」のスローから来ています。「より大きく、より多く、より速く」の時代に埋もれてしまった価値。例えば環境破壊もそうですし、生活における感謝ですとか、自分の本当の心や価値観が暮らしの中で埋もれてしまっている。そんな今の時代こそ、1つ1つの要素を大切にするスローな暮らしが大切であるというテーマですね。

ではスローな暮らしとは何か。これはただゆっくりと生きるということではありません。「スロー=繋がり」を大切にして過ごすということです。

今の時代は目の前の料理の生産者の顔って全く見えないですよね?でもこの料理が作られるまでに、自然を整備している人がいて、自然の力を借りて農作物を生産している人がいて、加工や調理をして食品や料理にしてくれている人がいる。多くの人が繋がって、今目の前の料理が出来上がっているわけです。そうやって自然との繋がりを感じて、1つ1つに感謝をして過ごすことがスローライフの基本だと思っています。


Q:なるほど。スローライフとはまさに、繋がりを大切にして、感謝を忘れずに過ごすことにあると。素敵ですね。このカフェスローの食事などもそういった工夫やこだわりが隠れているのでしょうか?

おっしゃる通りです。カフェスローはオーガニック食材が売りでして、料理の食材もほぼ100%オーガニック食材を使っています。この食材や店頭販売している食品は全て、生産者がわかるものしか置いてません。

また、カフェの床は東京都内の杉の木で作っています。真ん中の大きな栃の木でできたテーブルは大工さんに特注しましたが、そのほかのテーブルと椅子は全てリサイクルショップから仕入れていたりと、自然との繋がりも大切にしていますね。最近はクラウドファンディングでカフェスロー発電所プロジェクトも実施して、ソーラーパネルも設置しました。電気などのエネルギーも全て地産地消で自然とダイレクトに繋がろうというところです。

自然と繋がることは、未来と繋がることでもあると思っています。エクアドルは高山開発がかなり進んでしまっていまして、高山開発により向こう20〜30年は莫大な恩恵が受けられるでしょうが、100年後にはもう高山もなく何も残らない。つまり自然を大切にすることは、遠くの未来へ希望を届けることでもありますので、生産者や人と繋がる”横”の要素と、過去から未来へ繋がる”縦”の要素の2軸を大切にしています。


Q:カフェスローのこだわりや想いがとても深く伝わってきました。ありがとうございます。今では店長を勤める山本さんはどのようなご経歴やきかっけがあって、いつ頃からカフェスローに関わってきたのでしょうか?

私自身は4年前の2017年からカフェスローに関わっており、2018年から店長という立場でやらせてもらっています。

最初に就職した先の人たちからの繋がりで、20代の頃にNPOに参加しまして、環境保全と文化を守る現地インターンでフィリピンに行ってました。ここで自然と暮らす面白さや魅力に惹かれて、帰国後は青森県へ移住し、2010年から2017年までの7年間はDash村みたいなことをやってたんです。自分で畑を耕したり、林業を進めたりして、自給自足で生活する。田舎体験のための宿泊施設を運営もしてました。もともとカフェスローのコーヒー豆も取り扱っている株式会社ウインドファームの社長とやっていたので、コーヒー豆を道の駅とかでドリップして下ろしたりもしてましたね。

そんなこんなで自然と暮らす日々を送っていたわけでして、地元は千葉県なのですが、首都圏にはもう戻らないと漠然と思ってたんです。ですが、田舎は田舎で費用面や人間関係など現実的な苦悩も多くて。いろいろと迷っていた時に、コーヒー豆の下ろし先でもあるカフェスローに参加するきっかけをいただき、あえて東京という土地でこれまで培ってきた自然と生きる考え方を活かそうと決めて、2017年より参加したという感じです。

青森時代の山本店長(写真一番左)

Q:カフェスローは都心近くにあるのに、どこか田舎感を感じていたのは、先ほどお話いただいたカフェスローのテーマや背景、そして山本さんのようなバックグラウンドの方が支えていたからなんですね。これからのカフェスローをどのように作っていきたいですか?

20周年とはなりましたが、現在はCOVID-19の影響で現実的に厳しい状況が続いています。カフェスローが合って今があると感謝していただける方もたくさんいるので、まずは存続し続けること。再度、クラウドファンディングにもチャレンジしますが、とにかくカフェスロー自体を続けていくことは必須ですね。

その上で私としては、東京にある意味を考えていきたいと思っています。よく地方創生や情報格差などで対比されるのは東京と地方。意識的にも実際の交通面でも、東京と各地方はよく繋がっていますが、地方と地方って意外と繋がっていないんです。青森県から同じ東北の山形県に行っただけで、実はお互いのことを何も知らなかったりする。そんな中で、一見関係なさそうなその両者の関係を繋げられるのって、実は東京だったりするんじゃないかなと思ってます。

あえて東京にある意味を、地方と地方の繋げ役として考える。もちろん地域にこだわらなくてもいい。何かをやっている人と何かをやっている人が繋がる。せっかく東京にあり、ギャラリースペースもあり、音響設備もあり、食事やお酒もあるんですから、そんな新しい出会いが生まれる場所として、カフェスローからたくさんの発信ができたらと思っています。

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